やればできるのか? しがみつかない方が良いのか?

CATEGORY: 01.心理学・21,人生指南書
DATE: 01/16/2010 07:44:12 AM

やればできる―まわりの人と夢をかなえあう4つの力 やればできる―まわりの人と夢をかなえあう4つの力
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しがみつかない生き方―「ふつうの幸せ」を手に入れる10のルール (幻冬舎新書) しがみつかない生き方―「ふつうの幸せ」を手に入れる10のルール (幻冬舎新書)
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勝間和代さんの「やればできる」・・・その帯には「香山リカさんの『しがみつかない生き方』を読み、正直、迷ってしまっているあなたに読んでほしい、という気持ちでこの本を書きました。私が伝えたいことは、ここにあります。」と記述してあります。『しがみつかない生き方』には、勝間和代さんが本まで書かなければならなかった何かがあったのでしょうか?その辺について探ってみたいと思います。

「やればできる」は、2009年の大晦日・・・紅白歌合戦の審査員にまで引っ張り出された*勝間和代さんの最近作です(最新作かどうかは未確認のため)。

私は、勝間さんの本を買いあさり、’09/2/25に「ビジネス頭を創る7つのフレームワーク力」を購入し読んだ時点で、一段落ついたと思っておりました。しかし、紀伊国屋さんで、この「やればできる」を見つけて拾い読みした時点で、勝間さんが次のステージに移ったと感じたのです。それまでは、自分を高めるノウハウを書いて来た勝間さんが、この本では「自分を高め、その能力を活かして身近な人に貢献し、そうすることで周囲から助けてもらう」というようなことを書いています。

苦言が自分を成長させてくれることも少なくありません。勝間さんをそうさせたのが香山さんの『しがみつかない生き方』だとしたら、勝間さんは、香山さんに感謝しなければなりませんね。
いままで頑張って来たのに、今一つ結果が出ないと悩んでいるあなた。この本を読んでエネルギーを使う方向を見つけて欲しいと思います。

一方、香山リカさんの『しがみつかない生き方』とはどのようなものなのでしょう。
ハッキリ言って、この本を読んだからと言って、迷ってしまう人はいないと思います。むしろ迷ってしまったのは、勝間さんご自身ではないでしょうか?「結局、女はキレイが勝ち」というタイトルの本をリリースするなど、少々暴走気味の勝間さんに、自分の活動を客観的にレビューさせるきっかけになった本だと思います。

これから成功しようとしている人・・・つまり、現状よりも成功しようとする人にとっては、勝間さんの著書たちは、とても有益だと思います。しかし、過去や現状を維持することすら危うい状況に置かれている人にとっては、香山リカさんのこの本のが救いとなるのだと思われます。

つまり、お二人の読者層は、明確に違うわけです(マーケティング用語的に言うと、ターゲットが違うわけです)。だから、お二人が互いをけん制する必要は無く、むしろ(著者も読者も)本を売りたい編集者の思惑に嵌ってしまった感じがします(苦笑)。勝間さんの本を読むような読者は、香山さんのような精神科医の診察を(少なくても読んでいる時点では)受けなければならないような境遇にある人ではないと思われるからです。

いずれにしても、香山さんが危惧されているように、日本もアメリカのように一部の人たちが富を握り、残りの人たちがそれを支えるような構造になりつつあると思われます。それが支える側の人たちだけでなく、富を握る人たちにとっても、不幸な現象でなければ良いと思います。

勝間さんと香山さんのお二人は、社会への接し方が違うので、社会の見え方が違うのだと思います。勝間さんは、マッキンゼーや、JPモルガンなどの超一流企業でエリート相手に仕事をしてきた方で、今でもそうなのだと思います。一方、香山さんは精神科の医師として豊富な臨床経験から社会に上手く適応できない患者さんに接している方です。

社会の見え方が違えば、解釈も違う、誰かを支援したいと思っても、ターゲット像が違うのだと思います。お互いは牽制する必要すらなく、むしろお互いの情報を持ち寄って、お互いが社会にどのように貢献できるかを話し合えば、きっと良いパートナーになれるのではないか?と思います。

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