シンボリック・アウトプット

シンボリック・アウトプット [PAOS]CIプランニングの実際

 1989年12月4日に発行された本なので、既に23年近い歳月が経過しているわけだが、その内容には、まったく古さが感じられず、まさに閉塞感が溢れ る今において、企業が顧客に対して、企業の中身を、なぜ伝えていかなければならないか、どのように伝えて行けばいいのかが、記述されている。
 企業の中身を顧客に伝えるために、シンボリック・アウトプットを行うという行為は、数値目標化できない課題であるが、数値目標に極めて大きな影響のある問題でもある。
 顧客は、企業の中身に信用することで、その企業が生む商品やサービスの品質を信用するのであるし、企業の中身に共感することで、顧客自身のアイデンティティを支えるために、その企業が生む商品を身に付け、サービスを享受するのである。

 中小企業の経営者は、「CI(コーポレート・アイデンティティ)は、大企業のためのものでしょう?」とか、「CIってお金がかかるんでしょう?」って思っているかもしれない。しかし、むしろ大企業よりもその「中身(事業価値)」を伝えにくい中小企業の方が、自らの企業価値を瞬時かつ明確に伝えるシンボリック・アプトが必要なのである。
 以前、ある企業の営業の方が、私が勤務する会社に来た。私が「御社の得意分野は何ですか?」と聞いたところ、その方は「何でも出来ます」と仰った。「何でも出来ます」とは、「得意分野がない」ということの裏返しだともとれる。もちろん、このような答えは、営業担当の責任ではない。営業担当にそのように言わせてしまうのは、厳しいようだが経営者の責任である。
 ある意味、シンボリック・アウトプットを意識するということは、その企業の存在価値、競合との差別性を意識することである。そして競合との差別性こそが、その企業の利益の源泉であり、永続的に存在し続けることができる強みなのである。
 それなりに成功を収めた起業家や、父の事業を受け継いだ経営者たちは、日々の意思決定について真剣に考えることは多いと思うが、中長期的な自社のSWOT(強み、弱み、機会、脅威)について、誰かと議論を交わすことがあるのだろうか?もし、そのようなことがないのであれば、事業を中長期的に維持することは難しいであろう。
 この様な厳しい時代だからこそ、厳しい意思決定を迫られないためにも、シンボリック・アウトプットを意識した経営を目指す必要がありそうだ。

レビュー登録日 : 2012年09月29日

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